血管内治療科

大動脈瘤は大動脈壁が限局的に弱くなり、 引き伸ばされて異常な拡張を来した状態です。大動脈の拡張は動脈硬化の結果として起こります。動脈硬化の危険因子は、たばこ・糖尿病・高血圧・高脂血症・肥満等と言われており、これらの基礎疾患がある方は大動脈瘤になりやすい！と言えます。

残念ながらほとんどの場合が無症状です。無症状のまま大きくなりやがて破裂します。まるで時限爆弾のようです。

大動脈瘤は薬では治らないため、治療方法は手術しかありません。

大動脈解離は高血圧等により大動脈の内膜に亀裂 ( エントリー ) が生じ、中膜レベルで竹を割ったように縦に大動脈が裂けていく病気です。時に、外膜側の破綻による出血や偽腔拡大による真腔の狭窄・閉塞による臓器の虚血・梗塞を来し、重篤な病態を引き起こします。

発症時の典型的な症状は、突然に出現する激烈な胸痛・背部痛です。それ以外にも大動脈の分枝に解離病変が進展するために実に多彩な症状を示します。

エントリー部分をステントグラフトで閉鎖することで偽腔が血栓閉鎖し、大動脈がremodeling (元の形に戻る) します。

さらに低侵襲な（患者の身体的負担が少ない）治療のため、ステントグラフトを切らずに挿入する穿刺法も行っています。手術から1ヶ月後になると、ほとんど創が分かりません。