お問い合わせ先contact

日本赤十字社 徳島赤十字病院

〒773-8502
徳島県小松島市小松島町字井利ノ口103番
電話番号:0885-32-2555(代)
FAX番号:0885-32-6350

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駐車場のご利用について

駐車場利用は、原則24時間以内に限らせていただきます。入院患者さまご自身の駐車はご遠慮ください。やむを得ない事情により駐車される場合は、1日につき1,000円の駐車料金をいただきます。またご家族であっても、入退院時の送迎や手術日当日、当院からの要請でお越しいただいた場合を除き、有料となっています。ご協力をお願いします。

料金・支払い

  • 駐車後30分を過ぎると1時間につき100円
  • 10時間以上24時間以内 1日につき1,000円
  • 支払いは外来棟1階西側玄関横にある事前精算機をご利用ください
    (料金支払い後、20分までは無料)
  • 駐車場出口での支払いは硬貨および1,000円札のみ使用できます

駐車料金が無料になる場合

  • 駐車30分以内
  • 外来受診の方*1
  • 入退院時の送迎(各1回)*2
  • 当院からの要請でお越しいただいた場合*2

*1:外来棟2階「外来総合案内」「A・Bブロック受付」で駐車券をご提示ください
*2:病棟スタッフに駐車券をご提示ください

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無人管理となっていますので、ご質問等ありましたら外来棟2階「外来総合案内」までお声かけください。

公共交通機関で来院される場合

JRでの来院

南小松島駅より徒歩約10分
JR四国 外部サイト 別ウィンドウで開く

バスでの来院

「日赤病院前」または「日赤病院玄関前」下車すぐ
とくしまバスNavi 外部サイト 別ウィンドウで開く

診療の最前線

フローダイバーター -脳動脈瘤に対する新たな血管内治療-

担当

徳島赤十字病院

脳神経外科 花岡 真実(金曜日外来)

従来の脳動脈瘤治療

脳動脈瘤の治療は、長らく開頭クリッピング術が標準的治療でしたが、1990年代に電気離脱式コイルの開発により、血管内治療(コイル塞栓術)が急速に発展しました。2002年の論文で、破裂脳動脈瘤に対する1年後の治療成績は、クリップよりもコイルの方が優れていることが立証され、以降、世界中で血管内治療が行われています。コイル塞栓術は、動脈瘤にコイルを挿入し、血流をなくす方法で、コイルをしっかり詰めることが重要です。しかし、特に入り口の広い動脈瘤(広頚瘤)や大型瘤では十分なコイルの充填が困難で、バルーンやステントを併用して行われるようになりましたが、このような工夫をもってしても、特に大型瘤では治療後の再発が高率に発生することが指摘されてきました。

フローダイバーターの登場

そこで登場したのが、フローダイバーター(FD)です。FDはステントの網目を細かくしたもので、母血管にFDを留置するだけで、瘤内への血液流入を減じて、自然な瘤の血栓化・治癒を促すという画期的な治療です。2010年代になって、欧米でその有効性・安全性が認められ、2015年に本邦でも条件付き(最大径10mm以上の内頚動脈傍鞍部および海綿静脈洞部)で導入されました。その後、2020年9月以降、「最大径5mm以上の内頚動脈錐体部から床上部および椎骨動脈」に適応拡大され、FD治療の恩恵を受ける患者さまも増えてきました。

治療の適応と注意点

  1. 長期間、抗血小板剤(脳梗塞の予防の薬)が必要になります。
    • FDを留置することで血管が傷つくとそれを修復しようと血小板がくっつき、血栓を生じます。そのままにしておくと動脈が閉塞してしまうため、それを防ぐ薬(抗血小板剤)を内服していただきます。予め、薬を内服いただき、きちんと効いていること、副作用がなく、内服継続できることを確認しないとFD治療は行いません。当院では、FD留置後、最低1年以上(半永久的に必要な方もいます)の内服をしていただきます。その間、脳を含めた全身の出血リスクや、手術時の出血リスク、中断による脳梗塞リスクが増えることが予想されます。
  2. 完全閉塞に至らない瘤が10~20%程度あります。
    • 特に高齢者では完全閉塞率が低いことがわかっています。 完全閉塞せずとも、多くは縮小し破裂はしないとされますが、数%は増大することがあります。その際、網が密なFDからのコイル充填はできず、母血管ごと閉塞し、バイパス術を必要とすることがあります。 また、特に大型の瘤で閉塞に至る前に、破裂し、クモ膜下出血を生じることがあります。そのため、破裂リスクが高そうな症例では、予めもしくはFD留置と同時に、コイル塞栓を併用することがあります。
  3. 向いている瘤と向いていない瘤があります。
    • 動脈瘤から血管が出ているような症例では、FD留置を行っても完全閉塞を期待しづらいとされています。 前述の通り、FD後に瘤増大を来した場合の次の手が限られるため、従来通りのバルーン支援下コイルやステント支援下コイルが適している場合もあります。 血管が分れたところにできたような瘤には向いていません。FDの適応は5mm以上ですので、それ未満の瘤は適応ではありません。破裂急性期の瘤は適応外です。

FD、コイル塞栓術、開頭術、いずれも良い点と悪い点があります。向き不向きがあります。それぞれの動脈瘤に合った、それぞれの患者さまに合った治療法を検討し、ご提案いたします。