令和6年度 徳島赤十字病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 734 282 195 274 541 1037 2037 4176 2924 846
高度救命救急センター、地域医療支援病院である当院は、「紹介患者」や「救急搬送患者」を中心に幅広い年齢層の患者様に対して断らない医療を実践しています。年齢層は60歳以上の割合が全体の7割以上を占めており、高齢化社会を反映した結果となっています。近年では医療技術の進歩により80歳以上の高齢者の手術症例も少なくはありません。また当院は、地域周産期母子医療センター、小児救急医療拠点病院や地域がん診療連携拠点病院等の機能を有しており、幅広く医療を提供しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 693 2.19 3.07 1.01 *71.59
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 643 3.28 4.18 1.24 *71.97
050070xx03x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 274 4.18 4.47 0.36 *69.21
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 153 13.59 17.33 32.03 *81.97
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 144 8.10 9.59 9.03 *79.89
循環器内科で最も多い症例は、狭心症などに対する心臓カテーテル検査です。ほとんどの症例が腕の血管からのアプローチで行なっており、検査後数時間で歩行が可能です。
第2位は同疾患に対しバルーンカテーテルやステントを使用する治療です。再狭窄を抑制する医療材料・技術の進歩によって繰り返し治療を行う頻度は減少しています。
第3位は不整脈「頻脈」に対する「心筋焼灼術」というカテーテル治療です。細い管を血管から心臓に入れて不整脈の原因となる電気回路を遮断する治療方法で、1994年より保険適用となっています。侵襲の少ない手術であり、90歳以上の高齢者でも施術可能となっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 219 4.52 4.54 1.37 *73.47
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 97 6.26 7.05 9.28 *68.77
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 90 5.02 5.99 1.11 67.36
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2 なし 78 6.12 9.82 0.00 76.65
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 76 14.64 14.81 14.47 *72.42
外科では鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡手術が最も多くなっています。患者様は中高年層と幅が広く、症状発生時の緊急手術にも対応しています。第2位は腹腔鏡下で行う胆嚢摘出術の症例です。胆のう炎を伴うか否かで区分が異なります。他、胃・大腸等の悪性腫瘍に対する外科手術も多く行っています。2021年からロボット手術を実施、適用拡大しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 183 7.09 8.88 10.38 *77.96
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 97 6.35 7.45 2.06 *76.32
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 57 2.79 2.57 0.00 *72.07
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 47 7.49 7.67 23.40 *72.91
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 41 6.49 7.60 0.00 *62.07
消化器内科では食道から大腸までの消化管や胆道・膵臓などの内視鏡検査、処置・手術及び肝胆膵の診断や治療を行っており、胆道疾患に対する内視鏡的手術の症例が最も多くなっています。第2位は早期胃がんに対する内視鏡的治療です。近年内視鏡治療の範囲が拡大し、より患者様にとって心身の負担が少ない治療が可能となっています。食事療法や薬物療法など保存的加療の他、破裂や出血などを伴う場合には外科手術を行うなど、他の診療科との連携により、適切な治療選択を行います。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 155 17.08 25.29 89.68 *82.93
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 63 13.63 21.38 87.30 77.38
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 60 9.53 12.71 21.67 27.33
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 関節鏡下肩腱板断裂手術等 57 12.11 16.15 68.42 66.75
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 39 12.26 15.41 20.51 72.13
整形外科では、大腿骨頚部骨折の手術症例が最も多くなっており、大半が高齢者の転倒事例によるものです。当院での治療後は、運動機能障害を回復させ社会復帰を目的として、回復期、そして維持期治療までを担う施設と連携し、予め作成した治療計画を基に、県内の連携先医療機関にてリハビリテーション治療を継続的に行います。第2位は、膝の関節にある軟骨がすり減って骨が露出する、あるいは変形することで痛みや歩行困難を引き起こす変形性膝関節症に対する手術症例です。高齢者に多く、リハビリテーションを継続するため転院率が高くなっています。第3位の肘・膝の外傷についてはスポーツ外傷の患者様が多いことから平均年齢が低くなっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 103 4.48 6.11 2.91 0.00
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 95 4.76 6.22 1.05 1.32
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 53 3.85 6.98 0.00 4.06
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 51 4.16 6.38 0.00 3.80
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 44 4.55 5.61 0.00 4.39
小児科では、気管支炎などの呼吸器系感染症による入院の他、当院で出生した新生児に対する入院治療が多くなっています。稀ではありますが他院から救急搬送される新生児症例もあります。他の医療機関との連携体制を整備していることにより、入院加療が必要な患者様については常時対応できる体制をとっています。他に、嘔吐や下痢といった症状に対しては、脱水症の進行等、重症化しないよう早期の入院治療が重要となります。24時間小児科医の診療体制を構築、県南を中心に県下全域の小児救急を担っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 124 13.64 16.94 51.61 *76.35
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 43 11.49 9.83 41.86 *78.88
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 37 16.59 18.68 78.38 *73.76
010030xx991xxx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 36 2.86 2.86 0.00 *64.03
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 35 11.51 16.89 34.29 *75.51
脳神経外科で最も多いのは脳梗塞・脳出血。「JCS」とは意識障害の深度(意識レベル)分類であり、刺激に対する覚醒の有無や程度によって評価する方法です。症状が遅発する場合や急変するケースもあり、入院時から集中的治療を要します。脳卒中症例については、急性期(当院)から回復期、そして維持期治療までを担う施設と連携し、予め作成した治療計画を基に、県内の連携先医療機関にてリハビリテーション治療を継続的に行います。
第2位の頭蓋・頭蓋内損傷の大半は交通事故かお仕事中の怪我(労災)等の要因によるものです。
第4位は脳内の動脈に発症した瘤(りゅう)(こぶ)に対する検査入院です。正確な位置や大きさ、性状から破裂の危険性を確かめ、病態によって手術を行います。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 135 2.03 2.45 0.00 *72.93
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 105 6.42 6.81 2.86 *74.99
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 89 4.18 5.16 3.37 *66.33
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 83 7.46 7.77 2.41 75.67
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 52 11.00 11.11 0.00 73.06
泌尿器科では前立腺疾患の入院が最も多くなっています。健診などもあり近年増加傾向です。第2位は膀胱がん手術で、経尿道的手術の他に開腹手術で治療することもあります。第3位は尿路・尿管結石に対する治療です。繰り返し入院して治療することもあるため、上位となっています。第5位は前立腺腫瘍のロボット手術症例となっており、2021年からロボット手術を実施、適用拡大しています。
総合内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 99 15.46 20.78 62.63 *81.60
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 88 13.68 16.40 35.23 *83.94
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 78 12.95 13.66 28.21 *78.82
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 28 25.43 20.06 53.57 *77.86
100380xxxxxxxx 体液量減少症 25 13.64 10.26 48.00 *82.76
総合内科では特定の臓器・疾患に限定せず、全身的治療を行っています。第1位は誤嚥による肺炎です。肺炎治療は高齢ほど重症になる傾向があり、長期入院になることもありますが、他院で入院中、又は施設入所中の方の緊急入院も少なくはなく、入院初期より集中的治療を行い、早期に紹介元へ転院していただけるよう取り組んでいるため、在院日数が全国平均より大幅に短くなっております。第3位は腎・尿路感染症に対する投薬治療です。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 83 5.99 7.35 0.00 16.58
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 79 6.35 5.84 0.00 60.01
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 66 2.00 2.02 0.00 62.17
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 31 4.10 4.67 6.45 69.61
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 30 6.13 6.68 0.00 58.37
耳鼻咽喉科・頭頸部外科の1・2位は慢性副鼻腔炎、慢性扁桃炎などの慢性疾患などの手術症例です。第3位の睡眠時無呼吸症候群の検査入院では、いびきや日中の眠気を主な症状として受診されます。睡眠障害により日常生活に影響を来す疾患で、就寝時の呼吸状態を解析し、結果に基づいて在宅呼吸療法の適応を判断いたします。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 49 10.69 10.18 6.12 *78.80
050163xx9900xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 35 3.34 7.58 11.43 *79.06
050080xx0100xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 30 21.60 17.03 16.67 *69.93
050161xx9900xx 大動脈解離 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 27 17.59 16.32 18.52 *78.00
050163xx02x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 なし 27 14.52 15.93 11.11 72.63
最も多い症例は、大動脈瘤に対するステントグラフト挿入術です。動脈瘤の位置にステントグラフト(血管内部から広げる医療機器が装備された人工血管)を圧着させることで、血流の導管となり、瘤の破裂を防ぎます。開胸・開腹手術と比較して侵襲が少なく在院日数も短いため高齢者も多く治療していますが、動脈瘤が非常に大きい場合や石灰化が強い場合などは適応外となります。
第3位は心臓弁膜症です。病態に応じて、複数の心臓弁に対して手術を行う場合や他の手術と併用して行う場合があります。近年はMICS(小切開心臓手術)や、循環器内科と協同で経カテーテル大動脈弁留置術等のカテーテル治療も積極的に行っています。
第4位の大動脈解離とは、大血管内壁が剥離し血液が流れ込む疾患です。心臓に近い位置で発症すると致命的となることもあり、緊急入院加療が必要となります。
大動脈以外にも人工血管置換による治療が多数行われています。当院では高齢者も積極的に心臓手術を受けております。動脈瘤切除術は開胸や開腹による人 工血管の移植が困難な場合であり、適応基準を満たす方が対象です。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120010xx99x30x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 55 2.04 4.12 0.00 *66.73
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 54 5.81 5.88 0.00 49.22
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 54 5.22 5.97 1.85 48.89
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 35 3.00 2.72 0.00 49.51
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 20 7.75 7.74 0.00 73.10
産婦人科の卵巣腫瘍・子宮腫瘍に対する治療は大半を腹腔鏡手術で行なっておりますので、侵襲も少なく、多くの方が6日以内の入院です。第1位は悪性疾患の治療(手術、化学療法等)となっていますが、良性疾患によるものも多く行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99xBxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 Bあり 70 8.71 12.23 0.00 70.10
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 50 6.00 8.65 2.00 *75.48
130030xx99x7xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 7あり 28 5.89 12.54 0.00 73.04
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 5あり 23 12.09 19.30 0.00 73.39
130030xx99xCxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 Cあり 15 8.27 10.60 0.00 71.13
血液内科で行っている治療は悪性血液疾患に対する化学療法が主体となっております。治療期間は長く、再発を繰り返す病気の性質が現れています。様々な治療方法の組み合わせ、選択を患者様の病態に応じて行います。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 26 11.00 11.35 7.69 *64.81
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 15 24.60 13.75 60.00 *76.60
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 13 20.31 19.53 7.69 58.85
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 12 9.83 6.01 0.00 56.92
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし - - 9.83 - -
腎臓内科は、主にタンパク尿や血尿の続く腎炎の方や、腎機能が悪くなった方への管理治療を行っています。多くは腎盂腎炎の患者で、手術等を行わない保存的加療が中心となります。慢性腎不全の患者様が維持透析を導入する際、シャントを作成するために数日入院することもあります。進行性の慢性腎臓病に対する透析導入準備、透析期(腹膜透析・血液透析)の管理と透析合併症の予防・管理にも努めています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 3.71 3.58 29.41 *52.24
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 5.83 7.99 33.33 64.17
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし - - 20.06 - -
040081xx99x1xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 あり - - 21.20 - -
050210xx9901xx 徐脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり - - 9.16 - -
救急科では上位の症例数はほぼ横並びです。1位は服毒による薬物中毒となっています。自殺企図や認知症罹患などの背景があり精神科領域の治療を要するものも多く、急性期の治療を終えると専門的な治療施設へ転院する症例もあります。2位は外傷によるもので、来院時心肺停止状態や意識障害が遷延し、全身状態が重篤な症例、また他の診療科による専門的な治療と並行しながら呼吸管理を行うなどの集中的な治療を行なっています。
救急部では専門医が治療を担っており、疾患部位に関わらず、重篤な肺炎、外傷に因るものなど様々な救急症例に対応しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 57 10.05 12.98 7.02 *69.65
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 38 7.50 9.33 7.89 *72.42
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2 なし - - 28.94 - -
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし - - 10.13 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 9.93 - -
皮膚科で最も多い急性膿皮症とは、丹毒や蜂窩織炎など細菌感染症の緊急入院です。第2位の帯状疱疹は、痛みを伴う紅斑や水疱を症状としますが、潰瘍や疱疹後神経痛が持続する可能性が高くなることから緊急的に点滴治療を要するものとして入院加療を行っています。第3位は「天疱瘡」の治療です。副腎皮質ステロイドという薬剤の投与を行いますが、状態によって大量投与を要し、免疫抑制剤や血症交換療法、ガンマ-グロブリン製剤の投与という集中的治療を行う症例もあり、在院日数は平均的に長くなる傾向です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 45 2.00 2.49 0.00 *78.96
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 27 3.04 5.47 0.00 69.26
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 21 4.95 7.53 0.00 *62.05
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 16 2.31 4.29 0.00 *80.44
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり - - 3.08 - -
眼科は白内障手術が上位となっています。基本的に外来診療で行なっていますが、心臓疾患をお持ちの方などハイリスクの症例は入院にて実施しています。また、網膜剥離は病気や事故、加齢、糖尿病性網膜症など要因は様々です。この他、加齢による黄斑変性、また硝子体手術等、2位以降は急速な病態悪化もある病気で早期治療・手術が重要な疾患となっています。地域の医療機関や他科からの紹介など、他の診療科と連携して適宜専門医の治療を行っております。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 63 12.94 13.77 6.35 *70.06
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 14.64 13.07 0.00 *53.00
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり - - 12.60 - -
10008xxxxxx1xx その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり - - 18.56 - -
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 14.93 - -
ほとんどの症例が糖尿病との関連疾患であり、入院症例は食事療法・インスリンの投与方法を学ぶ教育入院や低血糖発作に対する急性期治療などで細分化されています。日本の糖尿病患者の大部分が2型(厚生労働省による調査)であり、当院でもそのような結果となっております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 123 23 13 47 - - 1 8
大腸癌 53 51 48 64 11 18 1 8
乳癌 38 28 10 - - 12 1 8
肺癌 49 - 14 16 - - 1 8
肝癌 25 12 17 - - 69 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院は地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、地域のがん治療を積極的に提供しています。胃がん、乳がん、肺がんではStageⅠの割合が非常に高いことが読み取れます。これは連携先医療機関や検診などにより早期発見・早期治療が行われていることによる成果であり、初期段階で内視鏡的治療、腹腔鏡下やロボット手術といった侵襲が少ない治療を行うことによって、患者様の負担を軽減する取り組みの表れです。また、近年増加傾向にある大腸がんは進行している症例が多く、術前の化学療法を伴う治療も実施しています。肝がんについては、治療後の再発が多い疾患であり、初発治療後の再発治療での入院の割合が非常に高くなっています。
当院では、身体的な侵襲の少ない内視鏡・胸腔鏡・腹腔鏡・ロボットを用いた手術、化学療法や放射線療法の組み合わせなど、患者様の病期や病態に合わせたがん治療を行い、治療後も定期的な精査を行い、外来化学療法室、ストマ外来や乳腺外来などの専門スタッフによる外来も設置し、患者様とともにがん治療を進めています。
治療前の検査入院において入院中に検査結果が出ていない、あるいは遠隔転移の有無の評価を退院後にする方針であるなど、入院中の情報だけでは病期分類ができない場合は、UICC病期分類が「不明」に分類されています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 17 9.24 49.65
中等症 90 11.07 *78.24
重症 24 14.46 *82.33
超重症 - - -
不明 - - -
年齢が上がるごとに重症化する傾向となっています。当院では、主に総合内科にて成人の重症肺炎患者の診療を行っていますが、循環器疾患やがん治療などの既往歴がある患者様も多く、各診療科が連携し治療にあたっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 258 16.09 *77.07 56.77
その他 - - - -
発症日から3日以内の脳梗塞(急性期)が多くを占めています。当院では、脳梗塞により脳血管に詰まった血栓を溶かし、血流を再開させる血栓溶解療法(t-PA治療)にも対応しています。迅速に治療を開始することで早期離床に繋がり、さらに早期にリハビリテーションを開始することで、発症後のADL(日常生活動作)障害を軽減することに繋げています。2~3週間程度の入院期間で治療とリハビリテーションを行います。また、医療機関の枠を超えた地域一体で治療を行う診療計画を県内の医療機関と構築しており、切れ目のない医療を後方支援病院とともに提供しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 344 1.51 1.36 3.49 *72.38
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 253 1.10 2.24 0.40 *69.87
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) 177 1.14 1.19 0.56 *70.76
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 164 2.47 6.08 23.17 *74.92
K5481 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル) 等 110 1.25 2.09 0.00 *74.00
循環器内科では、心筋梗塞や狭心症に対する経皮的冠動脈ステント留置術など、腕や足の血管から心臓まで管を通して病変を治療するカテーテル治療法を多く行なっています。「その他」とは予定手術の手技を意味します。次いで多いのは「心筋焼灼術」です。細い管を血管から心臓に入れて不整脈の原因となる電気回路を遮断する治療方法です。侵襲の少ない手術であり、当院では約1割の患者様が90歳以上となっています。第4位は、四肢の動脈の狭窄又は閉塞部をバルーンカテーテルで拡張する治療です。近年では2014年に四国で初めて実施したTAVI(年間約50症例)やマイトラクリップ(年間約10症例)などの新しいカテーテル治療法も積極的に導入しております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 196 1.10 3.89 5.10 *68.03
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 179 1.03 2.25 1.68 *73.47
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 等 85 4.32 10.47 20.00 *73.14
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 46 0.33 2.96 0.00 49.57
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 41 0.90 3.51 2.44 *67.98
外科では、腹腔鏡下胆嚢摘出術が最も多くなっています。第3位は、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術です。10日間程度の入院ですが、人工肛門を造設した場合は、術後の日数が長くなります。胃がん手術、腹腔鏡下直腸切除術も多く実施していますが、切除部位や範囲により手術項目が異なるため、ランク外となっています。侵襲の少ない腹腔鏡手術や化学療法、放射線療法との組み合わせなど、地域がん診療拠点病院としてより高度ながん治療に取り組んでいます。消化器領域では手術の多くが腹腔鏡下手術となっており、2021年度よりロボット支援による手術も開始しております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 119 2.04 13.02 80.67 *80.18
K0821 人工関節置換術(膝) 等 105 1.12 11.85 91.43 *76.56
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 68 2.19 13.07 83.82 *82.24
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 43 1.40 6.12 30.23 58.56
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿) 等 41 0.07 2.59 2.44 61.46
整形外科で多いのは大腿骨に対する骨折部位の接合を行う手術となっています。変形性関節症に対する人工関節置換術(膝関節)、人工骨頭挿入術(股関節)などの関節内手術も多くなっています。全体的に高齢者が多いため平均年齢も高く、長期のリハビリテーションを要するため、転院率も高くなっています。高度救命救急センターとして、外傷による救急搬送患者も多く受け入れています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 129 2.60 9.81 20.93 *78.95
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 95 0.06 5.36 2.11 *76.39
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 等 85 1.71 5.11 5.88 *77.44
K654 内視鏡的消化管止血術 56 1.29 9.43 28.57 *75.80
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 54 0.52 1.20 0.00 72.15
消化器内科では、胆管狭窄や閉塞性黄疸に対して行われる「内視鏡的胆道ステント留置術」の症例数が最も多くなっています。狭くなっている胆道にステントを挿入して内瘻化する方法です。切除不能の悪性胆道閉塞に対する永久的なドレナージ法で日常生活に制限がないという利点があります。内視鏡的な治療の後に外科的手術を行うなど患者様の容態に応じて担当医が連携し、専門的な治療を行なっています。第2位は、早期がん2cm以上のものでリンパ節転移がないと考えられる症例に対して行われる切除術です。また第4位の止血術などのように、緊急内視鏡手術にも対応しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 104 0.57 4.88 3.85 *75.01
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 93 1.22 2.80 5.38 *67.05
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの) 81 0.69 5.85 2.47 75.52
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 52 1.00 9.00 0.00 73.06
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 18 0.17 8.83 33.33 *78.17
泌尿器科で最も多い症例は、膀胱悪性腫瘍手術です。電気メスにて膀胱腫瘍を切除するとともに、腫瘍の膀胱壁への深達度なども評価します。次いで多い症例は、尿管結石に対して行う手術で、レーザーにて結石を破砕します。第3位は、前立腺肥大症に対して行う経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術です。第4位の前立腺の悪性腫瘍はロボット手術で行なっています。第5位は結石に伴う水腎症や腎盂腎炎などの要因により発症した尿管(腎から膀胱までを繋ぐ管)の通過障害を解除する目的で行う尿管ステント留置術で、繰り返し手術が必要な症例もあります。2021年からロボット手術を実施、適用拡大しています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 76 1.00 4.29 0.00 16.13
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 55 1.00 4.49 0.00 62.13
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 22 1.00 4.18 0.00 54.50
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) 17 1.00 2.06 5.88 66.82
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 13 1.00 4.69 0.00 59.23
第1位は、扁桃炎肥大症の口蓋扁桃摘出術。学童期に手術を受けられる方が大半ですが、扁桃摘出術については、成人の症例もあるため、年齢にばらつきがあります。第2・3位は慢性副鼻腔炎などに対して行う副鼻腔炎手術。ポリープを切除する際にマイクロデブリッダーという機器を用いることで手術時間を短縮して体の負担を軽減することに努めています。
耳鼻咽喉科領域では全体的に若年層が多く、その多くが自宅退院となっています。また喉頭腫瘍、甲状腺、耳等の手術も上位におり、耳鼻咽喉科領域の手術を幅広くカバーしています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 43 1.37 12.02 13.95 *79.74
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 23 4.70 16.57 4.35 71.30
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 21 2.29 6.95 14.29 *77.00
K5551 弁置換術(1弁のもの) 19 6.68 24.84 21.05 *75.63
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 18 1.22 17.17 22.22 *80.61
心臓血管外科の第1位は、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術です。従来の開腹手術に比べて侵襲が少ないことから、ハイリスクの症例に対しても手術を実施できるようになりました。また、循環器内科と連携し、患者様の年齢や病態に応じて、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)など侵襲性の低い手術も積極的に行っています。この手術は当院が2014年に四国で初めて実施いたしました。心臓弁の置換術も多く実施しておりますが、置換数によって術式が異なるため分散しております。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 65 0.95 3.31 1.54 46.57
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 62 1.00 3.95 0.00 48.55
K872-33 子宮内膜ポリープ切除術(その他のもの) 35 1.00 1.00 0.00 49.51
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式)) 20 1.00 5.75 0.00 73.10
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 14 3.64 6.79 0.00 32.43
産婦人科で最も多いのは、卵巣のう腫などの子宮附属器に対する腹腔鏡手術です。第2位は、良性子宮疾患(子宮筋腫など)に対して行う腹腔鏡下膣式子宮全摘術です。第3位は子宮内ポリープなどの良性腫瘍に対して行う手術です。3日間の入院で年齢層も20歳代から70歳代まで広範囲というのが特徴です。第4位は子宮など骨盤内にある臓器が下垂し、脱出してくる「子宮脱」などに行われる腹腔鏡手術です。加齢に伴う疾患で平均年齢も高くなっています。また、緊急帝王切開にも常時対応できる体制を整えています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 45 0.58 11.20 44.44 *81.33
K178-4 経皮的脳血栓回収術 23 0.17 18.17 82.61 *78.00
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) 16 0.94 32.50 87.50 64.94
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 15 7.33 33.27 46.67 *68.73
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) 15 3.27 10.13 13.33 70.73
脳神経外科で最も多い手術は、慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術です。頭部外傷を負った後、歩行障害などの症状が出現し救急入院された場合、頭部に小さな穿頭を行い硬膜下に溜まった血腫を吸引し、洗浄除去します。術後は早期に症状が改善して自力歩行も可能となり、自宅へ退院される方も多くいます。脳血管内手術は、主にくも膜下出血など脳卒中患者様に対して行う手術です。脳神経外科領域の緊急手術は特に時間との闘いです。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 60 0.08 1.00 0.00 *79.57
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 53 0.00 2.83 1.89 *67.38
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) - - - - -
K2423 斜視手術(前転法及び後転法の併施) - - - - -
K2682イ 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) - - - - -
眼科の入院で最も多いのは白内障に対する水晶体再建術です。原則的に日帰り手術としていますが、心臓疾患や糖尿病など合併症がある方など高リスク症例のみ入院診療としています。主に小児が対象である斜視手術も行っています。小児の場合は全身麻酔で行います。第2位は硝子体茎顕微鏡下離断術です。この他、睫毛内反症(逆まつげ)や涙小管閉塞、硝子体疾患に対する手術も行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 11 11.27 19.55 27.27 71.64
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 - - - - -
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施する場合) - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) - - - - -
K613 腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術) - - - - -
腎臓内科では内科的治療が中心であり、大半が腎不全患者の透析療法に伴う手術となっています。病態・手術により、放射線科医と併診で行います。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 15 0.11
180010 敗血症 同一 36 0.28
異なる 51 0.39
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 23 0.18
異なる - -
入院後に発症した「播種性血管内凝固症候群」「敗血症」共に低い数値になっています。「手術・処置等の合併症」では入院契機となった傷病名と同一傷病名の症例数が多く、これは手術・処置などの合併症の治療目的に入院されて診療を受ける入院患者が多いことを表しています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1817 1759 96.81%
ほぼ全ての手術症例において、肺血栓塞栓症を予防するための措置が取られていることがわかります。
当院では弾性ストッキングの着用等による予防対策を行なっており、安全な医療を追求しております。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
2397 1699 70.88%
皮膚の常在菌は血液採取時に混入する可能性が高く、慎重に皮膚を消毒しても完全に防ぐことはできませんが、2セット実施することで回避できる可能性が高まります。
また、検出率(検出感度)や検査精度の向上が期待でき、適切な抗菌薬治療を実施しております。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1154 1053 91.25%
広域スペクトル抗菌薬とは、多種類の細菌に効果が期待できる抗菌薬のことです。便利な薬ですが、薬剤耐性菌を増やしてしまうリスクが高いため、使用する際には注意が必要です。狭域スペクトル抗菌薬(小種類の細菌にしか効かない)に切り替えるためには、患者様に感染している細菌を特定し、適切な抗菌薬の選択と投与量・投与期間および安全に配慮した適正使用を要します。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
136762 473 3.46‰
当院では入院時すべての患者様に対して転倒・転落アセスメントスコアシートを使用し、必要に応じて看護計画を立案して転倒・転落防止に努めております。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
- - -
分子の値が10件未満と小さく、医療の質として良好な結果ですが、値が小さすぎるため「-(ハイフン)」で表示しています。
危険度別に転倒・転落の発生原因を特定し、低減するための予防・対策を実施しています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
3545 3541 99.89%
全身麻酔手術のほぼ全件において、術前に予防的抗菌薬投与が実施されています。その目的は手術部位感染の減少ですが、完全に無菌化するのが目的ではなく、患者様自身の免疫力によって創部感染の重篤化を防ぐために行われます。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
136730 72 0.05%
看護師が寝たきりの患者様の体位変換を頻繁に行う事や患者様の状態に応じて、体圧分散マットレスなどを適切に選択して使用することで予防でき、実際に非常に低い値となっております。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
8977 7146 79.60%
高齢の患者様の場合、不適切な栄養状態のまま疾患の治療を開始すると治りが遅いどころか逆に悪化したり合併症の発症率を高めたりすることにつながります。そのため、栄養状態に問題があることが疑われる患者様もしくは充分な体力が必要とされる大きな治療を予定している患者様については、入院後早期に栄養状態を確認し栄養状態を改善する必要があります。当院では管理栄養士が積極的に介入し、表の通りの栄養アセスメントが実施されております。
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退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
121767 3858 3.17%
当院では、多職種で構成された身体的拘束最小化チームを設置し緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束をしない診療・看護の提供に努めております。緊急やむを得ず身体的拘束を行う場合においては、患者の病状及び全身状態の安定を図り、最小限度の期間かつ安全な身体的拘束を行っております。
更新履歴
2025.10.01
令和6年度当院の病院指標を公開