徳島赤十字病院について

院長挨拶

院長 後藤 哲也
私たちは断らない医療を実践し、
みなさまの健康と尊厳をお守りします。
徳島赤十字病院
院長 後藤 哲也

患者中心の医療と職員に優しい病院の両立を目指しています

徳島赤十字病院のホームページを訪れていただき、ありがとうございます。このウェブサイトは、当院の最新情報をできるだけ分かりやすく公開することを目的として日々更新されています。

当院は若い医師が多く在籍し、活発に高度先進医療に取り組んでいます。その現況については、各診療科のサイトをどうぞ御覧ください。最近のトピックスは、WATCHMANデバイスを用いた左心耳閉鎖術に関する話題(WATCHMAN ―左心耳閉鎖術―)です。

このような高度先進医療と三次救急を担う高度救命救急センターとしての機能を維持しながら、時代の宿痾であるCOVID-19診療にも徳島県の重点医療機関として貢献してまいります。

さて、当院は405床の高度急性期・急性期病床を有する、DPC特定病院群(旧Ⅱ群)に属する病院です。回復期の患者さんをお願いするたくさんの連携病院に恵まれて、高い病床稼働率と短い平均在院日数を維持することにより効率的なベッド運用を行い、断らない医療を実践しています。これは、連携施設のご尽力の賜物であるとともに、職員とボランティアの努力の結晶であると確信しています。地域医療を支えるみなさんに応えるためにも、良きワークライフバランスが確立した、患者さんにも職員にも優しい病院を目指して、様々な努力を続けてまいります。

当院の公式Facebookもどうぞご覧下さい。

コロナ禍を越えてゆくために Beyond COVID-19

新年明けましておめでとうございます。新年と申しましても、今年は2019年から続くCOVID-19パンデミックの足掛け3年目にあたることから、年始の華やぎよりも先の見えない重苦しさを感じてしまいます。そのような状況におきましても当院は、24時間年中無休の救急医療体制を維持し、堅牢な感染対策を施しながら断らない医療を実践してまいります。本年もどうぞよろしくお願い致します。

さて、今世紀はVUCA(ブーカ)すなわちVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の時代であるということがビジネスの世界では当たり前のように言われているそうです。例えば気候変動に伴う大規模自然災害の増加、あるいは宗教対立や自国優先主義を背景としたテロリズム・国際紛争の勃発といった出来事により、地球上のあらゆる地域の人々の日常が突然混乱に陥ることがあるという事実を誰もが実感していたはずでした。しかし、被災経験がある方々のような真の当事者でない限り、実際には平時にそのようなリスクを認識し備えるという意識は根付いていないということが、今回のCOVID-19のパンデミックにより露呈したように思います。卑近な例を挙げれば、COVID-19の第一波が来た際の個人用防護具(PPE)の絶望的な不足です。それまで、PPEのような消耗品はほぼ完全に市場原理に従って調達されており、輸入が途絶えたことで急きょ実施した、国産で安定供給を図る施策は結局中途半端になり、現在はほとんどの消耗品が中国その他の安価な外国製品に戻ってしまいました。

今年『The Lancet』誌上に発表された論文1)では、アジアとヨーロッパの各国における医療政策から得た教訓が述べられていますが、日本の医療人として多くの反省すべき点を読み取ることができます。いずれにしても、今後なすべきことの要点は、基本再生産数(1人の感染者から生じうる二次感染者数)などの疫学指標に基づいて制限緩和を科学的に検討すること、コミュニティーの感染予防への取り組みを推進すること、公衆衛生と医療システムの能力を高めること等でしょうが、出口戦略として最も重要であると考えられているワクチンについては未だ情報が不十分であり、優先的に接種が予定されている医療従事者の間でも不安が先立っているような状況です。しかしながら、VUCAは医療の常であると私は考えておりますので、今年早々にも計画されているワクチン接種には率先して臨むつもりです。

現在、様々なメディアにおいて「ウィズコロナ」、「ポストコロナ」、「ニューノーマル」などのフレーズが飛び交っておりますが、いずれもコロナ禍がもたらした地域の社会・経済・生活、さらには文化や価値観への多大な影響に対処するための考え方を表したものかと思います。そこで、地域の皆さま方の取り組みを医療の面からしっかり支えるという意味で、当院は「重点医療機関として徳島県のCOVID-19の診療にも貢献しつつ、万全の感染予防体制の下で救急医療・高度先進医療を守りぬくこと」を今年のミッションと致します。たとえCOVID-19の疑いがあろうとも、今ここで緊急手術や処置を要する患者さんは必ず受け入れます。入院される患者さんや陽性者のケアを担当する職員へのPCR検査もしっかり行い、患者さんにも職員にも安心していただける病院であり続けます。

このような困難な時にこそ、職員には笑顔を忘れずにいて欲しいですし、それが患者さんの笑顔につながるものであると信じております。そのためにも、院内外への情報発信はしっかり行い、この疫病を制圧するまで「コロナを越えてゆこう」をスローガンに職員一丸となってがんばりたいと考えております。

1)Han E. et al:Lessons learnt from easing COVID-19 restrictions: an analysis of countries and regions in Asia Pacific and Europe(COVID-19の規制からその緩和への過程で学んだ教訓)Lancet. 2020 Nov 7;396(10261):1525-1534.

2021年1月

ごとう・てつや
1981年徳島大学医学部卒。徳島大学第一内科に入局、テネシー大学ノックスビルメディカルセンター、徳島県立中央病院などを経て、1998年より徳島赤十字病院内科で消化器内科の拡充、造血細胞移植チームの立ち上げに携わった。2011年副院長を経て、2019年より院長。ライフワークは造血器腫瘍の免疫療法。医学博士。