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患者さんの健康と尊厳を守る医療を実践します
皆さまこんにちは。院長の日浅芳一(ひあさよしかず)です。職員の方や一般の方々に徳島赤十字病院を少しでも身近に感じていただきたいと考え、「院長ブログ」をホームページに加えました。拙い文と思いますが多くの方が目を通して下さることを願っています。
徳島赤十字病院
院長 日浅 芳一

2017年04月01日「新しい仲間たちへ」

 新しく私たちの仲間になられた89人の皆さん!心から歓迎します。「私たちは断らない医療を実践し、みなさまの健康と尊厳をお守りします」の理念の下、今日から一緒に額に汗をして働き、病める人の役に立てる喜びを共に分かち合いましょう。

 新入職員の皆さんを見ていると自分が初めてこの病院に入職した日を思い出します。1975年(昭和50年)、私は学生や研修医時代を過ごした山陰から徳島に帰って大学院に入りました。国道バイパスがまだ完成していなかった当時、週に一度パート勤務していた阿南医師会中央病院(当時)への行き帰りに通り過ぎる旧小松島赤十字病院は、私にとって憧れの病院でした。所属していた医局の関係上、当院に勤めることは絶対不可能だろうと思っていましたが、神様はいるのですね。1980年、病院が新しく循環器科を作ることになり、後輩の医師と二人で赴任することとなりました。それから37年経ちましたが、今でもこの病院が大好きですし、この病院で医師生活の殆どを過ごせたことを幸せに思っています。

 思い起こせば、赴任当初は厳しい毎日でした。外来も病棟も患者さんは数人しかいません。冠動脈造影検査についても、周囲からは「10人すれば1人は合併症で死ぬ」「ど~せ、人口の多い都会の病院には敵わない」など冷たい言葉でしか迎えられませんでした。過疎県の、しかも県庁所在地でもない地方都市で、どのようなことをすれば都市部の医師達と対等な仕事ができるようになるのだろうか。考え付いたのは、徹底した「顔の見える病診連携」でした。県内のあらゆる医院、病院に出かけ、“どんな患者さんでも24時間、365日診察する”、“入院が必要な患者さんは必ず受け入れる”、“患者さんは紹介元に必ずお返しする”旨を伝え、紹介していただけるようにお願いしました。お陰様で検査症例は順調に伸び、PCI(カテーテルを使った冠動脈形成術)を全国で最も早い段階で導入した施設のひとつとなりました。過疎というハンディキャップがあったからこそ、それを克服するためのアイデアを生み、実現させるべく人並み以上の努力をしたことで力をつけることができ、成果を得ることができたと思います。人生において、滅多にできない経験をさせていただけたことに感謝しています。

 最近、政府は「働き方改革」の一環として長時間労働の是正に力を入れています。心身の健康を損なうような働き方をするのは論外ですが、若いときにできるだけ緻密に働き、経験を多く積み重ねることが大事です。骨惜しみをしていては、優れた医療人・社会人には成り得ません。どんな職種でも、量を伴わない質の向上はないと思います。

 皆さんは若く、若さは大きな力です。考え込まずにまず一歩前に出てください。失敗経験なくして成功を修めることはできません。ひとつの成功を目指す時に最初は誰でも3つ4つの失敗をするものです。あきらめないでください。誰もが出来ないとあきらめていることの中に可能性が秘められていることを忘れないでください。「ど~せ、無理」は自分に対しても、他人に対しても絶対に禁句です。この言葉ほど可能性をなくするものはありません。初心を忘れず、素晴らしい医療人、日赤人となられることを祈念します。

院長プロフィール
ひあさ・よしかず
ひあさ・よしかず
1973年鳥取大学医学部卒。同大学付属病院にて臨床研修後、徳島大学大学院卒。北九州市小倉記念病院循環器科医長を経て、87年小松島赤十字病院(現・徳島赤十字病院)第三循環器科部長、2002年副院長、2011年より院長。医学博士。日本のカテーテル風船治療の草分け的存在である。